韓国の不動産開発事業が大きな低迷を迎え、金融機関のプロジェクトファイナンス(Project Financing、”PF”)も償還に困難を経験するケースが増えています。問題の様相は多様、融資を実行した金融機関と借り主(施行法人である)間の対立は当然だがPF融資債務に対する返済責任をめぐって建設会社と金融機関間に争いが生じることもあり、ときにはPF融資実行に保険を提供した保険会社も紛争当事者として登場したりします。そしてファンドがPF融資に参加した場合には当然、ファンドも投資金の返済のために訴訟を提起したりします。今日見るところはすぐファンドに対する部分です。
ファンドがPF融資に参加する方法は、いわゆる’不動産ファンド’を設定する方法と’特別資産ファンド’を設定して他の金融機関のPF貸出債権を買収する方法があります(以下便宜上二つのファンドを”不動産PFファンド”という)。いずれも施行法人はファンドから不動産開発事業(例えば、マンションやリゾートの新築事業)に必要な資金を融資を受けて将来の事業で発生する現金の流れ(分譲収入)で融資を返済することによってファンドの投資金と利益金を回収される仕組みになります。
上記のような不動産PFファンドは結局、PF事業が成功してこそ、投資元金の回収が可能になるが、PFということ自体が将来の分譲がうまくなって分譲代金が十分入金される場合にのみ成功できるものであって、それほど’事業性’と’不動産景気’という2つの要素に敏感に反応するリスクがあります。したがって、ファンドを設定して販売する資産運用会社と販売会社としては投資者たちに対象事業の正確な内容とその事業性評価資料を提供しなければならないことはもちろんPF貸出債権を回収するのに十分な担保を設定、維持しなければならない義務があるようにドヮはことです。
問題は資産運用会社と販売会社が投資者たちに投資を要請して提供する投資説明書やファンド運用計画書に事実と異なる場合、または投資者たちに誤解を与える内容が含まれる場合がしばしばあるという点です。PFの償還がうまくいけば何の問題はないが、PF融資が延滞して、ファンドの償還が行われず、結局損失まで発生する場合には、ファンド加入者たちは投資説明書などに記載された、虚偽情報を問題視し、裁判所に訴訟を提起する局面にまで至るようになることです。
この場合ファンド加入者は、(i)資産運用会社を相手に、ファンド(またはその基礎となるPF事業)の構造上問題点や運用会社が作成した投資説明書上の虚偽ないし誇張された情報を理由に顧客保護義務違反(不法行為)を主張したり、、(ii)販売会社を相手に、ファンドの危険性に関する説明をしていないか、ずさんな投資説明書に基づいて説明した点をを根拠に説明義務違反を主張して、損害賠償を請求する方法を講じてみることができます。(もちろん、顧客の意思と状況に照らし、甚だしく不適切な高危険度の商品を勧誘したら、それは適合性原則にも違反する可能性があります)。
これと関連して、韓国の最高裁判所は資産運用会社が投資者について誤解をさせる表示などをしても何の措置を取らなかった場合にはそのような間違った情報を信じて投資したファンド投資者の損害を賠償する責任があるという立場をとっています。つまり、そのような資産運用会社の行為は投資者保護の義務に反するということです。
実際に問題なったケースを見てみます。投資者”A”は”B”資産運用会社が運用して”C”証券会社が販売する”X”海外不動産ファンドということに加入しました。同ファンドは海外ゴルフ場のタウンハウスの新築や分譲事業を推進する施行会社に事業資金を貸与(PF)することでした。ところで加入後に施行会社の不渡りで事業は失敗し、PF融資は返済されなかったです。投資者”A”は一足遅れて、投資説明書に記載された対象事業用地の担保価値が誇張されたという点を発見し、資産運用会社と販売会社がそんな事実をきちんと説明しなかった点を問題視し、投資金の返還を求める損害賠償請求訴訟を提起しました。
これに対して、ソウル中央地方裁判所は資産運用会社と販売会社の投資者保護義務違反を認めて投資者の手をあげました。裁判所は、先に言及された最高裁判所の判例を言及した後、この事件において、(i)投資説明書に記載された担保物の’現在価値’というのはどこまでも事業が成功した時の将来価値を予測したにすぎず、投資者たちに誤解の素地を提供しているという点、(ii)一方、資産運用会社はPF融資当時事業用地の価値だけではPF融資を返済することに不可能だということを知っていたという点、(iii)施行会社の株式が担保として提供されたが、これは施行会社が不渡りに私は場合には担保として何の価値がないようになること、(iv)そういう担保不足の状況でもファンドの投資金を回収するために必要な措置を取っていない点などを認めた上で、このような行為は、資産運用会社の投資者保護義務違反に該当すると判断したものです。(販売会社も同様の理由で投資者保護義務違反が認められました)
ファンドというのは、基本的に投資行為であり、それに伴うリスクは、原則的に投資者が負担するしかありません。しかし、そのような投資者の責任負担が合理的に首肯されるためにはその前提として危険負担の重要事項であるファンドの構成、投資対象等に対する’正確な情報’が提供する必要があります。ここで’正確な情報’というのは単に事実に符合するというだけでは不足して、誤解の余地がない必要があり、重要事実が欠落してはならず、さらにその内容がファンドの目的を達成することに可能な水準という点が客観的に認められなければなりません。
ところが、実務上たまに接する部分は、その正確な理由は分からないが、投資説明書にファンドの安定性を誇張する表現が少なくないということです。これは不動産開発PFと関連されとき、特にそうです。将来の事業性について過度に楽観的な表現を書いたり、実質的には担保価値がない’株式’や’預金’に対する担保設定を置いてまるで分譲リスクに対応した安定的な債権を回収する仕組みが整ったもののように表現する場合もあります。これは資産運用会社の立場でかなりの注意を傾けるべき部分です。、実務上そのような措置を’担保’で認識することは事実だが、ファンド投資者たちが願うのは単純な担保がなく、PF融資を返済することに’十分な担保’だからです。
最後に、果たして上記のような’不動産PFファンド’たちが公募方式で一般に販売されることが適切かどうかも一度悩んでみないといけない部分です。ご存知のとおり、PF融資は専門的な金融機関が自分の投資審査役を通じてPF構造と事業性などを評価して交渉を行った後にPF融資を実行したり、共同貸主団に参加することが自然な姿です。現行法上、不動産PFやPF債権に対するファンド投資が合法ではあるが、金融機関を相手にしいる私募の方式のファンドならともかく、複雑な構造はもちろん用語さえまともに理解できない一般人を相手にまで何ら制限なしにファンドを販売することは不適切ではないかという考えをして見ます。
不動産ファンドがない一般ファンド(株式など)でも一般投資者たちが金融機関の顧客保護義務(説明義務)違反を理由に訴訟を提起してきており、むしろ今までは一般ファンドを置いて訴訟を起こすのが一般的だったようです。しかし、不動産PFの不良化問題が続く限り、これからは不動産ファンドを相手に訴訟を提起する場合が増えるものと見えます。興味深い点は、一般のファンド関連訴訟ではこれまで金融機関が自分が作成した書類(投資説明書や投資説明確認書)を裁判所に証拠で提出することにより有利な主張を広げていくことが可能だったが、不動産ファンド訴訟ではむしろ自分が作成した書類(投資説明書)が自分の足を引っ張っている様相になることができるということです。投資説明書などに虚偽または誤解を誘発する内容が記載されているという事実自体で金融機関の投資者保護義務違反が認定され得るためです。したがってどう見れば、投資者たちの立場では不動産ファンド訴訟の方が進行するには少し楽かも知れないという考えです。
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