韓国において従業員を雇用する場合、従業員を自由に、すなわち一方的に解雇することはできません。韓国の労働法である「勤労基準法」の第30条は、雇用主が従業員に関して解雇、休職、停職、転職、減給などの懲戒処分を行う場合、「正当な理由」を要求しています。韓国の裁判所によると、「正当な理由」とは、社会通念上、勤労契約を続けられないほど勤労者に責任がある場合を言います。
特に、解雇というのは、従業員の生計手段を奪うしまう最も極端な手段であるため、韓国の裁判所は、解雇の正当性を判断する場合、雇用主に非常に高いレベルの立証責任を求めています。勤労契約の軽微な違反だけでは不十分で、犯罪、違法行為、重大な契約違反など、使用者と勤労者の間の信頼関係が回復不可能な水準まで損なわれた場合にのみ、正当な理由を認める傾向です。特に、日本企業の担当者さんの中には勤労契約に定められた解雇事由に該当すると、問題がないと甘く理解している方も結構多いですが、そうではありません。勤労契約の解雇条項(事由)が勤労基準法に違反したと判断され、後で無効になるケースもあります。
さらに、雇用の終了に関して、勤労基準法は、雇用主が「緊迫した経営上の理由」がある場合、従業員を解雇するのを許容しています(いわゆる整理解雇)。 勤労基準法第24条によると使用者が緊迫した経営上の必要があって解雇を避けるための努力をつくし、合理的で公正な解雇の基準を定め場合、経営上の理由によって労働者を解雇することができます。
これに関して、韓国の最高裁判所は、整理解雇の要件の中で緊迫した経営上の必要とは、必ず企業の倒産を回避するための場合に限定されず、将来に来るかもしれない危機に前もって対処するために人員削減が必要な場合も含まれるが、そのような人員削減は客観的に合理性があると認定されなければならず、整理解雇の要件のうち解雇を避けるための努力を尽くさなければならないというのは、経営方針や作業方式の合理化、新規採用の禁止、一時休職および希望退職の活用や転勤など使用者が解雇の範囲を最小化するために可能なあらゆる措置を取ることを意味して、その方法と程度は確定的・固定的なものではなく、当該使用者の経営危機の程度、整理解雇を実施しなければならない経営上の理由、事業の内容や規模、職級別人員の状況などによって変わることだとしました。
結局、上記のように、韓国では、従業員を解雇する正当な理由または差し迫った経営上の理由を確立することは容易ではありません。従って、韓国では、解雇に代わるものとして、雇用主が解雇を希望する従業員を説得して、自発的な退職に誘導する場合も多いです。この場合、雇用主からの合理的な水準の退職パッケージを提供されるケースもあります。
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