韓国にある財産において日本法の方式で作成された遺言状の韓国内の効力

被相続人が海外に居住することによって法的と手続き的に予期せぬ複雑な問題が発生することがある。その一つが、遺言の方式の問題だ。

周知のとおり、各国の相続法は遺言において厳格な要式性を求めている。世界各国の法律が求める遺言の方式はまちまちである。これは、韓国の相続法も同じのこと。したがって、日本国に居住する方(必ずしも在日韓国人に限られるものではない)が韓国である財産に対して遺言状を作成する場合、後日韓国内でその遺言状による執行が試みられる際、果たして遺言の方式が適法かどうかがまず判断されなければならない。問題はその基準となる法を韓国法とするか、それとも被相続人居住する日本法とするかにある。これを遺言の方式に関する準拠法指定の問題という。

準拠法の決定

基本的に準拠法というのは、法定地、すなわち裁判や執行が行われる国の司法機関が国際的要素のある法律関係において法的解析や執行する際、どの国の法律を適用するかの問題であるので、各国の司法機関は、自国の準拠法指定の原則に従って準拠法を指定することになり、それで十分である。韓国の場合は、国際私法という法律がその役割を果たしている。

韓国の国際私法が定める遺言の方式

国際私法によると、遺言の方式は”本国法、常居所地法、行為地法、不動産所在地法”のいずれかの法によるものとされている(法第50条第3項)。つまり、”本国法、常居所地法、行為地法、不動産所在地法”の4つのうちいずれかの法律による方式さえ遵守すれば、韓国でも遺言の方式は適法なものと認められる。

このように準拠法を非常に広い範囲で認めているのは、遺言の方式の欠陥によって遺言が無効化されるのを最大限防ぐためである。

したがって、日本や他の外国にいる方が韓国にある不動産や預金などの財産に対して遺言をする場合は、必ずしも韓国法に従うべき理由はない。自分の居住する国家の法律が要求する方式によるだけで十分といえる。

たまに国際私法に”不動産に関する遺言の方式についてはその不動産の所在地法”との条項があり、これをまるで韓国にある不動産に対する遺言は必ず韓国法が定めた方式によらなければならないと誤解される人がいる。実際に在日韓国人を代理した韓国弁護士がそういった裁判で主張する場面がたまにある。だが、あれは条項をを間違って理解したものである。

同様に、遺言の対象に不動産と動産が混合されている場合、動産はともかく、不動産だけは不動産所在地法が定めた方式によるべきではないかと質問される方もいるが、これも規定を誤って理解したものである。

日本の遺言公正証書によって韓国の不動産の登記申請が認められた事例

実際の裁判例を言及すると、日本に居住する在日韓国人が、韓国の不動産に関する遺言状を韓国法(不動産所在地法)ではなく、日本法(常居所持及び行為地法)により作成し、後日、日本にいる相続人が同遺言状に基づいて韓国で所有権移転登記申請をした事案において、韓国の最高裁判所は上記の国際私法規定を根拠にして、遺言当時の行為地法ないし遺言者の常居所地の法律である日本民法が定めた方式で十分で、日本国の遺言公正証書だけでも韓国の登記所への登記申請が可能だと判断した例がある。

連関資料:日本で行われた家族信託と成年後見の韓国内の効力

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