韓国の行政処分の取消しを求める行政訴訟と出所期間に関する留意点

日本企業の韓国進出は、民間領域だけでなく、公共領域でも幅広く行われている。  公共領域での取引や事業に関して紛争が発生する場合、民事訴訟ではなく行政訴訟を提起しなければならない場合が多い。その区分は、まず相手方が行政庁に該当するかどうかによる。ところが、韓国の行政訴訟法上、行政庁とは単に国家機関と地方自治体に限らない。法令に従って国家または地方自治体の事務を委任・委託された団体と機関、私人も含む。したがって、行政訴訟の対象は思ったより広くなる。  

民間領域への進出についても、行政訴訟が必要となる場合が多い。例えば、事業許認可、特許庁への登録、公正取引委員会からの処分、税務当局からの課税処分、金融監督院からの処分などが行政訴訟の対象となる。

行政処分の取消しを求める行政訴訟は、処分を知った日から90日又は処分日から1年を超えると、提起することができない。ただし、行政庁に対して行政審判(行政不服審査)を提起した場合は、原処分ではなく、行政審判の決定が、起算点となる。 

出訴期間は、延長ができない不変期間であるため、必ず遵守しなければならず、したがって起算点となる処分を特定し、それに伴う出訴期間を確認することは非常に重要である。

これは、簡単なようにも見えるが、時には複雑な様相になることもある。特に、行政庁が内部的に行う異議制度というものが原因になって、出訴期間の確定が困難になる場合がある。  

異議制度とは、処分の相手方が、処分結果に対して異議がある場合、行政庁が、一定の手順の不服、疎明、異議陳述の機会を提供する手続である。ところが、異議制度は、行政審判ではない。したがって、行政庁の案内を受けて異議手続に入ったとしても、行政訴訟の出訴期間はそのまま進行する。出訴期間は、異議手続による決定が出る時点ではなく、当初処分決定が下された時から進行することになる。

実際の事例がご理解に参考になる。A社は韓国産業技術振興院と韓国産業技術評価管理院から国家研究開発事業に関する制裁処分(政府拠出金還収措置処分)を受けた。A社は、被告らの案内を受け、異議申立てをしたが、被告らは当初の処分を維持した。A社は、不服して、行政訴訟を起こした。しかし、異議申請審査の間に出訴期間が切れたことが判明された。A社は異議申立とは専門性と特殊性が要求される事案に関する行政審判の特例手続きであるため、出訴期間は異議申立結果が出た時から進行すると主張した。しかし、韓国の裁判所はA社の主張を受け入れなかった。

結局、行政訴訟の出訴期限の問題においては、常により保守的に解釈して業務を進めるのが望ましい。すなわち、公共領域における韓国企業又は機関との取引において不利益な処分を受けた場合、行政庁内部の異議手続きは考慮せず、処分告知日から90日以内には、行政訴訟を提起しなければならない。もちろん、そのような迅速な対応と正確な判断のためには、紛争発生初期から韓国の弁護士の検討と助言を得るのが望ましい。

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