日本の企業が韓国の企業に投資をする場合、その方法はいろいろあり得るが、最も基本的かつ基礎的な方法は、韓国企業が新株を発行し、日本企業がそれを引き受けることであります。本稿では、韓国企業(非上場の株式会社である場合を想定する)との株式引受取引が韓国法上どのような手続きを遵守すべきであり、各段階で留意すべき事項は何なのかを概括的に検討します。
定款などの事前確認事項
韓国の株式会社は、定款が定めるところにより株主以外の者に新株を割り当てることができます。ところが、それは、新技術の導入、財務構造の改善など会社の経営上の目的を達成するために必要な場合に限ります。
したがって、日本企業としてまず確認すべきのは、韓国企業の定款に第三者割当が認めているのかです。もしそれがなければ、第三者割当の内容を追加する定款改正(株主総会の決意)が先行されなければならないです。
加えて、韓国の会社が既に他の投資家から投資を受けており、当該投資家(株主)との株主間協約書で新たな新株発行の際に当該投資家の事前同意を得るように定めている場合があります。この場合、必ずその事前同意手続きを経なければならないです。そうでなければ、韓国企業と既存の投資者の間に契約違反問題が発生し、韓国企業の財務状態に否定的な結果をもたらしかねないです。
韓国会社の取締役会の決議
韓国企業の新株発行は、取締役会の決議事項です。韓国法上、取締役会は原則的に必須機関ですが、資本金10億ウォン未満の小規模会社は、1人または2人の取締役も認められるため、取締役会が存在しない場合もあります。取締役が3人未満であるため取締役会の存在しない会社は、株主総会が新株発行を決定することになります。
新株引受契約締結のための取締役会の決議には、法と定款が定めた招集手続きが遵守されなければなりません。ただし、実務的には、当該企業の取締役と監査役全員から招集手続きの省略に関する書面同意書を得ています。
資本金10億ウォン未満の小規模会社として株主総会が新株発行を決議する場合も、株主全員の同意があれば招集手続きを省略し、いつでも株主総会を開会することができます。
既存株主に対する通知及び公告
韓国法上、株式会社が株主に新株を割り当てず第三者に割り当てる場合、その事実を納入期日の2週間前までに株主に通知するか公告する必要があります。ただし、株主全員から期間短縮または手続き省略に関する書面同意書を受け取れば、その手続きも省略することができます。
外国人投資申告
上記は、会社法に関連する事項ですが、 韓国企業に投資を行う場合には、それに加えて外国人投資促進法による外国人投資申告の対象となるかどうかも検討する必要があります。
外国人投資促進法によると、投資金額が1億ウォン以上で韓国企業の議決権10%以上を取得する場合は「外国人投資」となり、この場合、日本企業は韓国政府に外国人投資申告を行わなければなりません。「外国人投資」の要件を満たしていない場合は、外国為替取引法による外国為替取引申告が必要です。
申告をしないと、後に投資金を回収して日本に送金することに問題が生じかねないのでご注意が必要です。
外国人投資は、現金はもちろん、現物出資や株式買収代金と韓国企業に対する債券(貸与金など)を相殺することでも可能です。
外国人投資申告は、原則的に「事前申告」、つまり韓国への送金を行う前に行わなければなりません。
申告場所は、韓国企業と引き取り関係である韓国内の銀行、または日本内のKOTRA事務所となります。
投資金の送金について留意すべき部分は、必ず「日本から」、そして「外貨」(円、ドル等)で送金しなければならないことです。日本企業が韓国内の銀行口座(日本系銀行の韓国支店を含め)から送金することは認められないです。また、日本企業が日本国内の口座からウォンを送金することも認められないのでご注意が必要です。
外貨送金が行われ、株金納入が完了となれば、韓国企業はそれから60日以内に外国人投資企業登録をしなければなりません。外国人投資企業として登録されれば、租税や外国為替取引においてさまざまな特例の適用を受けることになります。
企業結合申告
韓国企業と日本企業の資産及び売上規模によって韓国の公正取引委員会に対する企業結合申告も必要となる場合があります。これに関する詳細はこちらをご覧ください。
増資登記
株式買収のための取締役会など会社内部の手続きを完了し、外国人投資申告または外国為替取引申告を終えて投資金(株式引受代金)の送金まで適法に完了すれば、これで新株引受契約は終結になります。
有償増資の効果、すなわち日本企業が韓国企業の株主になるの時点は、株金納入期日の翌日からです。
そして韓国企業は株金納入期日から2週間以内に有償増資登記をしなければなりません。韓国法も日本と同じで、登記は効力要件ではなく、第三者への対抗要件で過ぎないです。
上記の内容や韓国法務に関するより詳細な情報を願う方は、こちらのメールまたは上段の「法律相談」コーナーでご連絡ください。
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