韓国の民事訴訟法は、訴訟費用に関して敗訴者負担主義を取っています。すなわち、裁判で勝訴した当事者は、敗訴した当事者に対し自分が支出した訴訟費用の償還を請求することができます。
具体的な手続きを見ますと、裁判所は、事件を完結する裁判をする際、必ず職権で訴訟費用の負担に関する裁判をしなければなりません。例えば、原告が全部勝訴した場合は、「訴訟費用は被告が全部負担する」とし、原告が一部勝訴した場合は、勝訴率などを勘案して「訴訟費用の1/2は被告が負担する」など負担比率を判決文で定めることになります。
原告が訴訟を取り下げした時は、原則として原告が訴訟費用を負担することになり、この場合は、判決自体がないので、当事者が裁判所に訴訟費用分担決定の申立をする必要があります。
そして、判決文には訴訟費用を負担する当事者と負担比率のみ定められているため、訴訟当事者は、当該判決が確定した後(仮執行宣告がついた場合は直ちに)裁判所に訴訟費用額の確定を求める別途の申立をし、裁判所が具体的に決定した金額が相手の支払うべき金額となる流れです。
このような敗訴当事者の訴訟費用負担原則は、刑事事件と少年保護事件など国庫が手続き費用を負担する場合を除き、行政事件、家事事件、保全処分事件にも準用されます。
気になるのは、訴訟費用に含まれる項目の範囲です。韓国の場合、訴訟費用は「訴訟行為に必要な費用」を意味し、その範囲が広いです。したがって印紙代、送達料、鑑定・証人費用はもちろん弁護士報酬も訴訟費用に含まれます。この点は、弁護士費用を敗訴者が負担させず、例外的に不法行為に基づく損害賠償請求事件でのみ弁護士費用の負担を認める日本と区別される部分です。
ただし、韓国でも弁護士との報酬契約上の報酬額の全てが訴訟費用として認められるのではなく、報酬契約によって支給されたり支給する報酬額を限度とし、各審級単位で当該訴訟の訴価を大法院規則が決めた算式に算入して計算することになります。
例えば、現行の大法院規則によりますと、1000万円の貸与金訴訟ですべて勝訴した当事者は、最大約74万円の弁護士費用を請求することができます。5000万円の貸与金訴訟ですべて勝訴した場合なら、最大約135万円になります。この金額は成功報酬を含む金額で、1審基準です。控訴審と上告審の報酬金額も同一です。
従来、大法院規則の弁護士報酬限度が実際に比べて非常に低く現実性がないとの批判が多く、これに対し大法院は、2018年に大法院規則を改正し、報酬限度額を大幅に増額しました。現行大法院規則上の弁護士報酬限度額も実際の報酬額より低い水準であるのは相変わらずですが、訴訟で勝訴した当事者の権利保全を一層強化したと評価されています。実際、以前と違って勝訴した当事者が弁護士費用を回収するため訴訟費用確定まで申し立てるケースが増えています。韓国で訴訟を起こしたり提起された日本の企業や個人にも参考になると思われます。
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