旅行やビジネスで韓国を訪れる際、多額の現金を申告せずに持ち込んだため、税関で押収されるケースが増加しています。この場合、外国為替取引法違反で現金を没収される可能性があります。今回は、韓国に現金を安全に持ち込む方法と、韓国税関での押収や外国為替取引法違反の問題が生した際にどのように対処すべきかについて説明します。
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韓国入国時の現金申告義務
韓国に現金を持ち込む際、1万米ドル(約130万円)を超える金額は、必ず韓国の税関に申告しなければなりません。これを申告しない場合、外国為替取引法の違反となり、現金の没収や罰金の処罰を受ける可能性があります。
外国為替取引法は、韓国での外為取引の透明性を確保し、資本の流出を防ぐために制定された法律です。この法律は、脱税や違法資金の流出を防止する目的で、多額の現金を持ち出入国する際に必ず申告することを義務付けています。特に、韓国の法律を知らずに申告を怠ったとしても、処罰を免れることはできないため、出国前に現金申告の手続きを確実に確認することが重要です。
実際の事例:現金未申告で1,500万円押収された日本人のケース
最近、当事務所で扱った案件では、日本在住の依頼者が韓国に入国する際1,500万円を申告せず、韓国の税関で押収された事例がありました。
依頼者は、日本で個人所持品を売却した代金を持って入国し、これは自分が日本で合法的に得たお金であったため問題ないと考え、申告をしませんでした。しかし、韓国から出国する際、税関検査で大量の現金が見つかり、税関は未申告を理由に全額を押収し、書類送検しました。
検察は、依頼者が外国為替取引法違反罪を犯したと判断した上、罰金だけでなく現金全額の没収まで求める略式命令を請求しました。これにより、依頼者は、日本に居住していたため、韓国での法的手続きに対応するのが大きな負担であり、迅速な解決が必要でした。
クライアントは当事務所に事件を依頼し、当事務所の韓国弁護士チームは、関連記録や資料を精査し、依頼者の資金が違法なものではなく、単なる申告漏れであることを明確に立証することができました。また、検察の「必要的没収」の主張には法的な誤りがあることを指摘し、この件のように韓国の通貨政策を妨害しなく、違法な資金取引や資本流出にも関連しない事案に対してまで、罰金以上に没収を求めるのは過剰な制裁であることを強調しました。
このような弁論を通じて、韓国裁判所は当方の主張を受け入れ、依頼者はすべての現金を取り戻すことができました。罰金も半分に減額されました。
この事例は、単なるミスがいかに大きな法的問題に発展するかを示しており、特に韓国と日本の法律手続きに詳しくない状況で、韓国の弁護士のサポートがいかに重要かを示す良い例です。
まとめ:外国為替取引法違反と税関押収の問題、解決策は?
韓国に現金を持ち込む際には、税関での申告手続きを確実に行うことが重要です。もし現金未申告が原因で現金が押収されたり、外国為替取引法違反で起訴されるリスクに直面した場合は、迅速な初期対応が非常に重要です。速やかに弁護士を選任し、起訴や略式命令請求を防ぎ、現金返還手続きを迅速に進める必要があります。
外国為替取引法の違反問題は、今回ご説明した現金の持ち込みに限らず、韓国企業との資金取引や、不動産や株式などの資産の取得・売却においても発生します。これらの取引には複雑な規制が伴い、違反した場合には刑事罰や金融制裁などの法的処罰を受けるリスクがあります。
当事務所は、外国為替取引法や税関関連の案件に豊富な経験を持ち、日本のクライアントの問題を効果的に解決してまいりました。問題が発生する前に準備することが最善ですが、もし問題が発生した際には、どうぞご遠慮なくご連絡ください。
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