韓国での交通事故:示談と損害賠償訴訟の流れの解説

うちの法律事務所は、韓国で交通事故に遭って被害を受けた日本人の方の損害賠償業務をサポートしています。これには、保険会社との示談や損害賠償訴訟などが含まれています。

損害賠償の範囲

韓国で交通事故などの不法行為が発生した場合、その損害賠償は韓国の法律によって行われます。韓国法によって認める被害賠償金は、過去および将来の治療費、休業損害(職業や所得によって異なります)、将来の逸失所得(年齢、職業、所得、障害率によって異なります)、慰謝料(最大1億ウォンに障害率などを反映します)です。 家族のみなさんも慰謝料を請求することができます。

交通事故直後の示談の段階

交通事故が発生すると、警察や保険会社に通報されますが、警察は損害賠償業務にはか関与しません。保険会社は加害者の保険会社でございます。したがって加害者の立場を代弁する場合が多いです。

重い人身事故の場合、病院に入院される必要があります。入院費や治療費は、韓国の保険会社が前払いします。 

ある程度時間が経つと、保険会社から示談提案が入ります。ここてご注意の必要があります。保険会社が提示する金額は裁判所の判決を通じて受け取れる金額に比べて非常に少ない金額です。保険会社は、約款に従った金額だとして被害者を説得しますが、その約款というのはあくまで保険会社自分の基準に過ぎません。

保険会社の中には、事故直後の被害者の不安定な心理状態を利用して、できるだけ早く示談をしようとする会社も結構多いです。被害者の立場では今すぐ一定の金額をもらいたい気持ちもあるはずですが、そうなると後で訴訟を起こして正当な損害賠償金を請求することが不可能なのでご注意が必要です。つまり示談に応じる前に韓国弁護士との相談が望まれます。

交通事故損害賠償請求訴訟の提起

訴訟提起の時点

もし示談が決裂された場合は、裁判となります。訴訟の提起は、特段の事情がない限り、急ぐ必要はありません。一般的に言うと、治療が終了し、障害がある程度固定(確定)された時点で起こすことになります。

裁判の流れ

裁判の流れは日本の場合と同様です。保険会社は訴状を受けた上答弁書を提出し、双方が書面で主張と立証を続きます。この過程で、裁判所が指定する韓国病院での身体鑑定が行われます。身体鑑定の結果に従って障害率が判定され、これによって請求金額を整理することになります。そして裁判所は双方に示談金を提示することになります。双方がこの金額に同意すれば、裁判は和解で終決されることになり、一方でも不同意することになれば判決が下されることになります。

外国人の被害者の逸失収入の問題

裁判の過程には、被害者である原告の逸失収入が争点になるのが一般的です。逸失収入の目安となる基礎所得は事故当時の被害者の実際収入(逸失利益)です。その立証責任は被害者にあります。実際の所得の立証が困難であれば、被害者と同種の職種の統計所得を基準とするのも認めています。これは、日本の裁判所と同じです。

被害者が外国人の場合は、基礎所得を韓国の基準に従うのか、本国の基準に従うのかが問題になります。

韓国の最高裁判所は、国内に滞在した後、出国が予定されている外国人の逸失収入に対して、予想される国内での就業可能期間ないし在留可能期間における逸失収入は、国内での収入(実際に得ていた収入または統計所得)を基礎とし、それ以降は外国人が出国することが想定される国(大体は本国)から得られる収入を基礎として算定しなければならないと判示しました。

つまり、日本に居住する日本人の逸失収益は日本を基準に決めるというのが韓国裁判所の立場です。実際にあったケースでは、韓国裁判所は日本に居住する主婦の韓国内の交通事故事件について、日本の主婦の平均年収(日本の賃金センサス)を逸失収入の基準にしたことがあります。

ちなみに、稼働可能期間も同様です。韓国の最高裁判所は、外国に居住する被害者の稼働可能期間は、外国での稼働年限を基準にするという立場です。その結果、日本に居住する被害者の稼働可能期間は、韓国の裁判所でも67歳まで認めてもらうことができます。

まとめ

うちの法律事務所は、日本人のクライアント向けの交通事故示談と損害賠償訴訟事件に関して豊富な知識と経験を保有しています。より詳細な情報を願う方や韓国弁護士の助力が必要な方は、上段の法律相談コーナーメールにてお問い合わせください。

本メモランダムは、韓国の法律事務所からの一般的な情報提供のみを目的としたサマリーであり、本件に関する完全な分析ではなく、またリーガル・アドバイスとして依拠されるべきものではありません。

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“韓国での交通事故:示談と損害賠償訴訟の流れの解説”. への3件のフィードバック

  1. […] 外国企業や外国の方から最もよく聞かれる質問の一つは、韓国内で金銭債権を回収する方法です。ここでいう金銭債権とは、さまざまです。貸与金、物品代金、売掛金、投資金、配当金、ロイヤリティー、利用料、報酬、賃金、事故による損害賠償金はもちろん扶養料などの家族関係の債権、日本裁判所からの判決金も含まれます。その債権推尋の方法と手順は同じで、以下のように使われています。 […]

  2. ウサミ ヨウスケ

    初めまして、先日2日にタクシーに乗っており、タクシーが事故を起こして同乗していました。日本に帰国しておりますが保障等の手続きの依頼は可能でしょうか?

    1. こちらのフォームでのご連絡お願いいたします。

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韓国企業や個人に対する債権を回収する方法 – 韓国法律事務所 ジョン&パートナーズ への返信 コメントをキャンセル