韓国に設立された子会社や関連会社の解散・精算の手続き

韓国の法律に基づいて韓国に設立された日本企業の韓国子会社や関連会社は、いつか韓国市場から撤退し、投資金と利益を日本に返すことを考慮するのは自然なことである。色んな事情により韓国での事業を中止し、債務と負債を清算するのを選択することも珍しくない。

その際、法律的に、韓国でどんな手続きが必要となるのか。もし、会社の形態が株式会社や有限会社であれば、次のような解散と清算の手続きが必要となる。

韓国における会社の解散と清算

韓国の商法(日本の会社法相当)は、日本法のように会社の解散と清算に関して規定している。

解散とは、会社の法的能力を清算活動に限定させるプロセスである。解散により会社は消滅するのではなく、清算会社に変わる。

清算とは、会社の資産と負債を整理し、会社に残った財産を株主に分配する会社のライフスパン(life span)としては最後のステージである。

清算手続きが終わることで会社はようやく法人格を喪失し、消滅することになる。

手続きの流れ

株主総会での解散決議

第一歩は、株主総会での解散決議である。会社の定款に、株主総会の決議以外に会社解散ができる事項が記載されている場合も多い。

株式会社の解散のためには、株主総会に出席した株主の議決権の3分の2以上及び発行株式総数の3分の1以上という特別決議要件を満たさなければならない。

一つ注意すべき点は、会社の資産が負債より多い場合、解散はできないという点である。その場合は、裁判所に破産や民事再生を申立し、裁判所が解散と清算を処理することになる。

株主総会の解散決議により清算人が選出される。通常、代表取締役(韓国では「代表理事」という)が清算人になるが、第3者を選出することもできる。 清算人は清算過程において会社の法的代理人となる。

解散決議と清算人選任の登記

清算人は解散決議と清算人の選出の事実を裁判所に登記しなければならない。解決日から2週間以内に完了する必要がある。

裁判所への報告

次のステップとして、清算人は解散理由、資産目録、貸借対照表を裁判所に報告しなければならない。

債権者保護手続き

清算人は、就任日から2ヶ月以内に会社債権者に対し一定の期間(2ヶ月以上)内に未払い債権を会社に申告することと期間内に申告しない債権は清算から除外される旨を二回以上日刊紙を通じて公告文を掲載しなければならない。

債務弁済、残余財産の確定・分配

債権申告期間の終了後、清算人は会社の資産の現金化を通じて会社債務を返済することになる。残りの資産は株主に分配される。

債権申告期間内に申告をしなかった債権者に支払う法的義務はない。しかし、会社が債権者であることを知っていた債権者に対しては、会社は返済する義務があることでご注意が必要である。

清算結了登記

清算人は、債務弁済と残余財産の分配が完了したら、決算報告書を作成し、株主総会に提出しなければならない。 清算人は、株主総会の承認を得て、2週間以内に清算結了を裁判所に登記しなければならない。

これにより、会社の法人登記簿が閉鎖され、韓国法上の会社解散と清算手続きは完了する。

このプロセス全体には通常3ヶ月かかる。

関連事項

上記のプロセスは、韓国会社法が求める解散・清算プロセスを扱っている。韓国会社の事業を終了させるには会社法だけでなく他のプロセスも必要となる。

税務申告

会社が解散·清算手続きを開始する際には、廃業事実を地方税務署に報告しなければならない。

また、会社は韓国の法人税、株主は配当所得税(源泉徴収)を納付しなければならない。法人税は、解散事業年度の法人所得及び清算により得た所得を対象にする。株主の配当所得税は、法人税納付後に納付しなければならない。清算による株主への分配がない場合は、株主の配当所得税はなくなる。

政府許認可およびライセンスの取り消し

韓国での事業が韓国政府からの許認可、免許、承認などを必要とする場合は、事業終了と伴い許認可などの取り消しを韓国政府に申請・報告しなければならない。

雇用問題

会社は、雇用契約を解約し、職員の国民健康口座と国民年金口座を閉鎖することになる。

韓国での退職金に関しては格別な注意が必要だ。韓国の労働法には雇用主の退職金支払い義務が付けられている。採用の際、従業員の同意を得ても、この義務は消滅されない。すなわち、労働契約書に退職金の記載がなくても、労働者が退職金をもらわないことに同意したりしても、会社は退職金を支払う義務がある。会社と社員との合意を前提とする日本とは異なる部分である。

これは日本の雇用主にとって予想外の負担になるケースが少なくない。したがって、最初の雇用契約書を採決する際、退職の時支給されることになる法定退職金を考慮し、給与水準を調整する方が望ましい。

外国人直接投資申告

外国人直接投資会社の場合、韓国政府機関に外国人直接投資登録取り消し申請をすることを忘れてはならない。この最終手続きにより、外国人直接投資会社は、清算によって外国の投資者(株主)に分配された配当金を海外に送金するのが可能になる。

まとめ

韓国会社の解散と清算にはさまざまな種類の文書や登録・報告・申請などが必要であり、各スケジュールとその期限にも注意が必要である。これは、韓国の子会社や関連会社を閉鎖しようとする日本企業にとっては、相当な負担や煩わしさになることもある。

当法律事務所は、上記のようなすべてのプロセスを網羅して韓国内外資系企業の閉鎖のためのワンストップサービスを提供している。

うちの法律事務所は、15年以上、日本の企業と個人の代理人として韓国関連の法律諮問業務を遂行してきました。上記の内容や韓国法務に関する情報を願う方は、こちらのメールまたは上段の「法律相談」コーナーでご連絡ください。

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